[Tokyo.pm] JUS感想

harada goichi goichi @ mb.kcom.ne.jp
1999年 9月 26日 (日) 09:46:15 CDT


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☆ Perl プログラミング  〜 中・上級編〜

講師: 前田 薫さん
日時: 1999年9月25日 13:00〜15:00
会場: 丸正ホール・大会議室 


今回のJus勉強会では、Perl5の機能の中でも非常に重要で、
複雑なデータ構造を実装するために不可欠な「リファレンス」について
のお話がメインでした。

ます、講習会は今年8/21日〜24日にモントレーで行われた
Perlカンファレンスが盛況であった事の報告から始まりました。

次に、Perlの次リリースであるPerl5.6の新機能と、Perl開発者
の
メーリングリストであるPerl5-portersについての紹介がありました。
今まではPerlのメジャーバージョン番号は、Perl5.006と小数点4桁で
数えていましたが、メジャーリリースでもヴァージョン番号が0.001しか
上がらないのであまり変更されていないだろうと思って
アップグレードしない人がいる、等の理由で番号が格上げされたそうです。

5.6で予定されている機能としては、

・スレッド
・64ビットサポート
・コンパイラ
・システムレベルでのUnicodeサポート
なんと、変数名に日本語が使えるようになるそうです。

・warningの階層化、
wスイッチの警告レベルを幾つかの段階に制御できるようになるそうです。
警告レベルによっては、コンパイル時にリファレンスの型チェックが出来るよう
になるかもしれないそうです。

・正規表現の拡張
一度コンパイルした正規表現を変数に保存しておく事ができるようになるそうで
す。

等々、非常に期待されるリリースであるとの説明がありました。
しかし、Utf8化についてはバイナリーデータの扱いや、
ハッシュの実装方法について開発者の中で意見が統一されていない部分があり、
もうしばらくリリースまでには時間がかかるかもしれないとの事でした。

リファレンスの講義では、PEGS(PErl Graphical Structure)記法を用いて
の解説がありました。
PEGS記法は、Joseph N.Hallさんが考案したPerlのデータ構造を
記号を使って視覚的に現す記法です。
リファレンスを用いた多次元配列などの複雑なデータ構造も、視覚的に捉える事
が
出来るので、直感的に理解しやすい説明でした。

次に、リファレンスを使った実例であるSchwartzian Transformについての
解説がありました。Schwartzian Transformとは、複雑な条件のsortを効率的に
実行するためのアルゴリズムです。sortされていく各段階をData::Dumperモジュ
ール
を使ってダンプし、その時点でのデータ構造が実際目にみえるように視覚的して
の
説明でしたので、理解しやすかったと思います。

最後に、関数のリファレンスとclosureについての解説がありました。
closureは、Perlで真のプライバシーを実現する唯一の手段であるそうで
す。
スコープを抜けても参照されている限り変数が生き残っていると言うのは、
Cプログラマーの方などには少し理解しにくいようでした。

今回の講義のメインであるリファレンスは難しい概念ですので、全くリファレン
ス
について予備知識がない方が一度にclosureの概念まで吸収するのは少し大変
だったかもしれません。
しかし、実際にPerlを動かしながら教材を見て復習をすればリファレンスを
習得する事ができるようになる講義であったと思います。


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☆ PerlとXML  〜初級編〜

講師: 岡部 恵一さん
日時: 1999年9月25日 15:00〜17:00
会場: 丸正ホール・大会議室 

今回のJus勉強会では、最近話題になる事の多い「XML」と、
「XMLを扱うPerlモジュール」についてのお話でした。

講義は「XMLってなに?」と、XMLの基本的な事柄の説明についての説明
から始まり、XML::Parserの使い方、XML::DOMとは何か?
そして、岡部さん御自身で作られたアプリケーションの説明、
と言う流れで進んで行きました。

講義全体を通して、XMLについての予備知識があまりない方にとっては少し
難しい内容だったと思います。しかし、日本におけるXMLの現状や、
XMLで日本語を扱う上での文字コードの問題等、
Perlのモジュールの使用方法についてだけでなく、一般的な諸注意について
も
お話して下さったので、参考になる講義でありました。

例えば、最近だけでも13冊もXML関連の本が出版されており、
雑誌などでも頻繁に特集が組まれているそうですが、
まだ日本語の訳語が統一されていないので様々な資料を読むと、
逆に混乱してしまう恐れがあるそうです。

又、XML::ParserのFAQでは現象が確認されていても、
具体的な解決方法が書かれていない物もあるそうです。
例えば、DBIモジュールと共に使うとエラーが出る現象などは、
「Perlの問題である」との記述があるだけで、
具体的な解決方法が示されていないそうです。

他にも、XMLに関わってくる事が多いユニコードで、
日本で一般的に使われているShift_JISコードと、
ユニコードコンソーシアムで定義されているx-sjis-unicodeが異なるので、
そのままでは使えない、と言った問題もあるそうです。

最後に岡部さん御自身のホームページなど、様々な参考資料についての解説が
ありました。今のところ、JavaとXMLの資料は結構あるのですが、
Perl関係はあまりないそうです。

講義を聞いた感想として「XMLはまだまだこれから発展する技術なのだな」
と思いました。
しかし、「XMLを使って何か凄い事をしてみよう!!」と思っている方には
この状況は凄いチャンスであるようです。
今回の講義は、これからPerlでXMLを使ったアプリケーション作成に挑戦
してみようと思っている方にとっては、様々な罠の存在が明らかになった
参考になる講義であったと思います。


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こんばんは、吾一です。
モンガースの皆さん、土曜日はお疲れ様でした。

とり急ぎ気になる宿題をまとめてみましたが如何でしょうか?
本当に単なる感想文になってしまい申し訳ありません。
間違いなどを見つけましたら、チャチ、突っ込み、etc、是非ご指摘お願いし
ます。

「これくらいなら楽勝でした :) 」

と言えたら良いなと思いました。


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Goichi Harada
E-mail  goichi @ mb.kcom.ne.jp



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